エステはとてもやりがいのある仕事ですが、やり方や体質によっては体を傷めてしまうことがあります。
続けたいのに続けられないなんて辛いですよね…。
今回はエステティシャンに起きがちな職業病と、それの対策について検討していきたいと思います。
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エステティシャンに起こりがちな職業病:腱鞘炎
痩身メニューでハードな揉みほぐしのマッサージがある場合起こりがちなのが腱鞘炎。
脱毛など、ヘッドが重い機械を一日中使用しているときにも起こったりします。
腱鞘炎は手首はもちろんですが、ツボ押しに使用する指の第一関節や付け根もなります。
初めのうちは若干違和感がある程度でも、徐々にひどくなってくると大変。
悪化しても予約は入るので、更に悪化していく…というスパイラルに陥りがちです。
対策
1:テーピング
固定することで患部にかかる負担を和らげます。
2:湿布を貼る
痛みを和らげる成分が入っている湿布も市販されているので、腱鞘炎の部分に貼りましょう。
私はインドメタシン配合の湿布が気に入っています。
ロキソニン配合のゲルやテープも良いですし、ピップエレキバンも効きます。
3:軽くストレッチをする
手首を回したり、指を関節の逆方向に伸ばしたりして関節のこわばりをほぐします。
重度の場合は動かすのも痛いと思うのでおすすめしませんが、違和感を感じ始めたタイミングであればこまめにストレッチしてあげることで和らぐことがあります。
ストレッチについては腱鞘炎のなりはじめよりも、予防として普段からやってあげるのが一番効果的だと思います。
何より、違和感が出てきたら早めに病院にいきましょう。
腱鞘炎は放置してもいいことはひとつもありません…。
エステティシャン的予防と対策
日々施術で手を使う以上、いかに腱鞘炎を防ぐかが重要ですよね。
施術のやりかたによっても防げるところがあるので、初耳だよという方は参考にしてみてください。
1:腕の力だけを使わない
手首が腱鞘炎になる場合、腕の力だけで圧をかけている場合が多いです。
特に肘から下の力だけで施術しようとすると、かなり手首に負担がかかります。
手首がいつも同じ角度で圧を受けることになり、痛みを生じるのです。
マッサージは全身を使ってやってみましょう。
腕全体や肩も意識してみると、手首の可動域が広くなると思います。
そうすると手首にかかる圧が軽減されるだけでなく、全身を使用する分マッサージの圧も上がります。
2:指の力だけに頼らない
指の関節の腱鞘炎も、手首の腱鞘炎と同様に全身(主に上半身)を使って圧をかけます。
ツボなど一指で押すのが辛ければ、無理をセず二指、三指で押したいところ。(施術の流れが厳格に決まっているサロンであればオーナーか店長に相談してからにしましょう)
3:機械も肩から下全部使うイメージで持つ
機械で腱鞘炎になるのは多くの場合肘や手首ですが、肘から下ばかりを使っていると手首の角度もかたまり負担がかかります。
楽な姿勢、楽な動かし方で施術しているつもりが一部の負担になり、結果的にその部分を傷めてしまう…ということになりますので、やはり身体全体を使うイメージで施術してみましょう。
まずは肩から下をやわらかく使うところからです。また、危険のない範囲で持ち方を定期的に変えてみるのも有効ですよ。
余談:腰痛の予防法
腰痛の予防には、「膝をやわらかく使う」ことが有効です。
膝はついついロックしがちですが、伸ばしっぱなしで施術すると腰への負担が大きいです。
結果的に施術の度に腰が痛くなり、ダメージが蓄積されて慢性的に腰痛になってしまったりします。
力をいれるのに、必ずしも膝を伸ばしっぱなしなくても大丈夫です。
スクワットとまではいいませんが、膝のバネを活かしつつ上半身全体で圧をかければしっかり施術はできます。
お客様に集中すればするほど動かしやすい部分だけを使いがちですが、全身を使うことで施術を受けた側の印象もプラスになりますし、エステティシャン側の負担も軽くなります。
負担のかかりにくい、正しい姿勢を研究してみてくださいね。
おわりに
施術は体力も気力も使いますが、する度にいろいろな気づきがあって奥が深いですよね。
私も習いたての頃は順序を追うのが精一杯で、姿勢に気を遣う余裕はありませんでした。
ですが、姿勢や身体の使い方を変えることで身体の負担が減るだけでなく、お客様の施術後の変化も大きくなったと思います。
お客様に触れる手や指先をいかに動かすかが一番重要だと思っていたのですが、エステは全身でやるものなんだなと気づくことができました。
エステティシャンを長く続けるためにも、技術力を高めるためにも、腱鞘炎は極力予防し、なってしまった場合も早く治したいですね。